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やまはカンタービレ

大学職員として、英文文書の作成や「ヒト」のパフォーマンスを最大化する仕組みづくりを推進しながら、復業としてブログでの発信や英文法講座などを行っています。アインシュタイン・アプローチを実践しています。人の生き方や個性、心理、性質などに強い関心があり、ブログで学んだことや気づいたことを発信しています。趣味はピアノとDDR(日本191位)です!!

「様々な可能性に挑戦する」という生き方〜マルチ・ポテンシャライト〜

ごきげんよう。翻訳業に挑戦するチャンスをモノにできそうでワクワクしているYAMAHAです。

 

みなさんは、移り気で「自分は何かで一流になんてなれないんじゃないか」と悩んだことはありませんか??

 

新しい分野に飛び込んでみて、がむしゃらに学んで、ある程度のレベルにまで達する。そして、何ヶ月、もしくは何年か経ってしまったら、急に情熱を失ってしまい、新たなことに挑戦したくなってしまう。一生同じことをやり続けるなんて耐えられない。だけど、違う分野に手を出し続けていたら、自分はひとつのことを続けている人たちのように、自分は〇〇だ!と言えるようなアイデンティティが持てず、苦しみ続けるんじゃないか。こんな風に思ったことはありませんか。思い当たる方は、もしかしたら「マルチ・ポテンシャライト」かもしれません。

 

今日は、エミリー・ワプニック著「マルチ・ポテンシャライト」より、次々と新しい分野に打ち込みながら様々なスキルを高めていく生き方をご紹介したいと思います。

 

私もキャリアをひとつに絞れず悩んでいた

何を隠そう、私も自分のやりたいことをひとつに絞ることができず、様々な分野を転々としてきました。

 

大学では英語と国際関係学を学んでいたのに、大学院では急に経営学を学び始めたのです。社会人になってからも、英語を貪るように学んで英語講師のポジションをつかんだかと思えば、全くお金にならないダンス・ダンス・レボリューションに人生を捧げたりもしました。そしてまた、エンジニアや海外営業など様々なご縁の中で迷いながら、大学でのキャリアを歩み始めました。

 

こんな風にふらふらとあっちに行ったりこっちに来たりしているので、「あなたは何をしている人ですか?」という質問がすごく苦手でした。あんなこともしていればこんなこともしていて、何かひとつ「〇〇です」と言えないし、言いたいとも思わない。そんなふわふわした存在でした。

 

一方で、不安もありました。今の社会では、「経営コンサルタント」「Webデザイナー」のように、メインの仕事でアイデンティティが語られることが多いです。だから、自分はこんなにふらふらしていては、何者にもなれないんじゃないかと、強い不安にずっと襲われたままでした。

 

しかし最近、はあちゅうさんがTwitterで「マルチ・ポテンシャライト」という本を紹介しているのをタイミングよく目にしました。即買いして読んでみて、「自分の生き方はこれだ」と心の底から納得でき、それまでのひとつに定まらない自分の生き方を肯定的に捉えることができるようになりました。いろいろ並行しながらやりたいことにどんどん挑戦していけばいいじゃん!って今は思っています。

 

今回のこの記事を書いたのは、同じような気持ちを持つ人が、私と同じように、少しでも自分の人生を肯定的に捉えられるようになったらいいなという思いがあったからです。

 

「マルチ・ポテンシャライト」という生き方

「マルチ・ポテンシャライト」は、英語で表記すると"multipotentialite"です。multiは「様々な、たくさんの」といった意味で、potentialは「潜在能力、可能性」、iteは「〜の人、〜に属する人」といった意味を持ちます。つまり、マルチ・ポテンシャライトとは、「様々な分野の潜在能力をもつ人」「多くの可能性を秘めた人」のような意味で解釈するといいでしょう。

 

エミリー・ワプニックは、著書「マルチ・ポテンシャライト」の中で、マルチポテンシャライトの特徴について以下のように述べています。

 

私は23歳で、自分のあるパターンにゆっくりと気づき始めていたーー新しい分野にダッとと飛び込んで、どっぷりとはまり込み、ありとあらゆる情報をむさぼるように吸収し、夢中でいくつかのプロジェクトを完遂する。ところが何ヶ月(あるいは何年)かたつと、不思議と興味が薄れだし、また別のワクワクする飛び移る。そして、そこでまた同じパターンを繰り返す……。スキルが上達し、かなりのレベルに達すると、決まって退屈になるのだ。もちろんそれは、みんなが私を見て、こう言い出すタイミングと一致している。「わぁ、エミリー、君はすごいよ!天職が見つかったんじゃない?」。後ろめたさと恥ずかしさがどっとこみあげる。

ーーーーー中略ーーーーー

「私に天職なんてこと見つかるの?」「そもそも私にぴったりのものなんて、ある?」「今までにやってみたことが、どれもこれも天職じゃないなら、次にやることがそれなの?」「何年も一つの仕事で満足できるものだろうか?それとも、どんな仕事もいずれは輝きを失ってしまうの?」。そして、何より痛烈な問いがこれだった。「いろんな分野を飛びまわっていないと満足できないなら、私は大成できるのだろうか?」。自分は根本的に、何かに打ち込む、最後までやり通す、といったことができない人間なのではないか、と私は悩んでいた。自分はどこかおかしいに違いない、そう思っていた。

――エミリー・ワプニック「マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法」(PHP研究所)p.23~p.24より抜粋。

 

この文章を見てみると、「いろんな分野」が「一つの仕事」と対比されていることがわかります。そうなんです、マルチ・ポテンシャライトは、ひとつの分野だけに集中して取り組むのではなく、興味の赴くままに様々な新しいことに挑戦するのです。

 

あるひとつのことに集中すれば、少なくとも一般的には、高い「専門性」を身につなけることが可能です。ところが、どんどん新しい分野に移り変わっていると、中途半端な能力しか身につかず、一見すると専門性を持った人々と比べて劣って見えます。しかしながら、エミリー氏は、スペシャリストにはい、マルチ・ポテンシャライトだけが持つパワーを明らかにしています。

 

マルチ・ポテンシャライトの優位性とは?

では、マルチ・ポテンシャライトは具体的にどのような能力に長けているのでしょうか。エミリー氏は、マルチ・ポテンシャライトの持つ力を、「イデアを統合できること」、「学習速度が速いこと」、「適応能力が高いこと」、「大局的な視点を持っていること」、「さまざまな分野をつなぐ通訳になれること」の5つにまとめています。(具体的内容はぜひ本を手にとってみてください。)

 

これらの特徴は、いずれも「次々と新しい分野を学んでいる」、「横断的にさまざまな分野を学んだ経験がある」マルチ・ポテンシャライトであるからこそ、持ち得る能力であると言えます。これらの能力は、ひとつの分野しか探求して来なかった人には獲得し得ないものです。

 

自分はマルチ・ポテンシャライトかもと思った方は、思い当たるところがありませんか?

 

私だってそうです。前の会社でもクラス担任から英語講師、窓口事務、生徒募集、営業同行など、さまざまな役割を行き来していました。そして、ある程度どんな分野に移っても、学習とトライアルアンドエラーで新しい役割に適応できる自信があります。

 

つまり、マルチ・ポテンシャライトにはマルチ・ポテンシャライトなりの良さがあるのです。なので、無理やりひとつの分野に絞ろうとする必要は必ずしもありません。むしろ、様々な分野に関心を持つ自分を受け入れながら、どのような生き方・働き方をすれば自分の幅広い関心をより多く実現できるのかに目を向ける必要があるでしょう。

 

エミリー氏は、マルチ・ポテンシャルな生き方を実現するためのワークスタイルを、4つに分類しています。次節では、この4つの働き方について、簡単に見ていきます。

 

マルチ・ポテンシャルな4つの働き方

エミリー氏は、マルチ・ポテンシャライトのワークモデルを、「グローバル・ハグ・アプローチ」、「スラッシュ・アプローチ」、「アインシュタイン・アプローチ」、「フェニックス・アプローチ」の4つに分類しています。

 

①「グローバル・ハグ・アプローチ」は、1つの職場の中で多くの役割を担うスタイルのことです。兼職や、ジョブローテーション、転勤など様々な方法で実現できます。

②「スラッシュ・アプローチ」は、自分の関心がある分野の仕事をフリーランスやパートタイムなどの形態でいくつも掛け持ちするスタイルのことです。複数のものがスラッシュによって分けられ並列で存在しているようなイメージです。

③「アインシュタイン・アプローチ」は、生活を支える十分な収入を生み出しながら他のやりたいことに打ち込める時間と余力を残せる仕事に従事しながら、余力を自分の好きなことに充てるスタイルのことです。アインシュタインも、特許庁に務めながらその他の時間で科学の探求に勤しんでいたことから名付けられたアプローチです。

④「フェニックス・アプローチ」は、ある分野でひとつのことに数ヶ月~数年打ち込んだ後に、全く別の分野に挑戦することを繰り返すスタイルのことです。不死鳥のようによみがえっては、次の分野にまた死ぬまで(飽きるまで)打ち込みます。

(※詳しくは、「マルチ」・ポテンシャライト」の本をご参照ください。)

 

自分に合ったアプローチと現状を見比べる

私は現在、アインシュタイン・アプローチを実践しています。生活の心配がいらないくらいの収入を得ながら、プライベートの時間でブログやピアノ、翻訳、Webデザインなど幅広い分野に挑戦しています。

 

でも、私が最終的にたどり着きたいと思うのは、スラッシュ・アプローチ、もしくはフェニックス・アプローチです。いずれにしても、好きな分野の2~3つくらいに並行して取り組んでいきたいと思っています。なので、アインシュタイン・アプローチから卒業することが、ひとつの目標であると言えます。

 

みなさんも、ご自身に合ったアプローチがきっとあると思います。もうすでに実践できている方はさらにそのスタイルに磨きをかければいいでしょう。自分の理想のアプローチができていない方は、ひとつずつ行動を変えていくことで、理想のアプローチに少しずつ近づいていくことが大事だと思います。

 

変化の激しい時代ですが、これを機に、自分が最終的にどんなワークスタイルを手に入れたいのか、向き合ってみてはいかがでしょうか。

 

☆後に…マルチ・ポテンシャライトをゴリ押ししたいわけではありません

ここまでマルチ・ポテンシャライトという生き方をかなり肯定的に記述してきましたが、マルチ・ポテンシャライトこそが正しくて、スペシャリストがダメだと言いたいわけではありません。どちらにも優れた点があります

 

スペシャリストだって、自分の活躍のフィールドを広げていこうと思ったら、マネジメントや情報技術、アントレプレナーシップなど幅広い分野についても学び取り入れていく必要があるでしょう。

 

反対に、マルチポテンシャライトだって、幅広い視野から柔軟に物事に取り組みつつも、自分のコアとなる専門性を持っているに越したことはありません。

 

「T字型人材」という言葉があります。これは、特定の分野の高い専門性を持ちながら、幅広い分野の知見を併せ持っている人材のことを指しています。そこから派生して、Π字型人材やH型人材なんていう言葉もあります。要は、「深さ」と「幅広さ」の両方とも大切であるということです。要は、現在のトレンドは専門性と広い視野を併せ持った人材が一般的には必要とされているということです。

 

すでに自分の専門分野を持っているスペシャリストは、先に自分の「深さ」を高めていったと考えることができます。一方で、マルチ・ポテンシャルな生き方をしてきた人は、自分の「幅」を高めてきたと言うことができるでしょう。なので、マルチ・ポテンシャライトのみなさんは、自分の「幅広さ」や「柔軟性」をポジティブに捉え、武器として使用することができるのです。

 

そのまま幅の広さに磨きをかけてよりマルチな存在を目指してもいいでしょう。「これだ!」というものが見つかれば、その分野の「深さ」を追及していってもいいでしょう。

 

いずれにしても、私たちマルチ・ポテンシャライトは、ひとつのことに打ち込まなければならないというプレッシャーに臆することなく、様々なことに打ち込んでいくことを通してこそ自分のアイデンティティーをつくっているのです。、新しい分野のその先の世界を覗くことでこそ自分の次なる方向性が見えてくるということを胸に、様々なことに挑戦し続けていきましょう!!

 

みなさんのマルチ・ポテンシャルがいつか統合されたひとつの大きな力となることを祈っています。「マルチポテンシャライト」の特徴やキャリアを築くヒントなどについて詳しく知りたい方は、以下の本をご参照ください。