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やまはカンタービレ

大学職員として、英文文書の作成や「ヒト」のパフォーマンスを最大化する仕組みづくりを推進しながら、復業としてブログでの発信や英文法講座などを行っています。アインシュタイン・アプローチを実践しています。人の生き方や個性、心理、性質などに強い関心があり、ブログで学んだことや気づいたことを発信しています。趣味はピアノとDDR(日本191位)です!!

「複業」「パラレルキャリア」という生き方

ごきげんよう。いろんなことに熱中しすぎてすぐ燃え尽き症候群になってしまうのを改めたいYAMAHAです。

 
働き方の変化に関して盛んに情報が発信されていますね。最近は、「副業」という言葉だけでなく「複業」「パラレルキャリア」といった言葉も良く見かけるようになりました。特に今回は、「複業」・「パラレルキャリア」について、「副業」との違いに触れながら考察していきたいと思います。
 

☆「複業」は「副業」と何が違うのか

以前と比べて、「副業」という言葉だけでなく、「複業」や「パラレルキャリア」という言葉をよく見かけるようになってきました。この「複業」という言葉は、「副業」と何が違うのでしょうか。例をあげながら見て行きたいと思います。
※私の立場では、「複業」と「パラレルキャリア」は同じ意味です。
 
副業と複業の一番の違いは、「目的」です。
 
副業の目的は「本業以外の収入を増やすこと」です。単刀直入に言ってしまえば「お金」です。自分の労働時間を切り売りすることで、本業の儲け以上のお金を得ようというのが副業の考え方です。
 
一方で、複業の目的は「本業以外のところで、お金だけでなくスキルや理想のワークスタイルなどを手に入れることです。複業と副業の最も大きな違いは、その目的に「お金以外のこと」があるかどうかです。複業は「生き方」を手に入れるための挑戦と言い換えてもいいでしょう。
 
パラレルキャリア」という言葉を見かける機会が増えました。これは、「複業」と同じところを意味しています。英語の"parallel"は、「並行の・並列の」といった意味を持っています。すなわち、パラレルキャリアとは、本業と並行で行う、自分のアイデンティティそのものなのです。副業はお金が目的のサブ的なものなので、自分のアイデンティティを得ることが目的ではありません。
 

☆例で見る「副業」と「複業」の違い

副業と複業の違いについて見てきましたが、ここからはそれぞれの例を見て行くことで、理解を深めていきたいと思います。
 

例1)事務職員Aさんの場合

Aさんは、日中は事務職の仕事に従事しています。基本的に定時で残業代はなく、手取りで生活はカツカツです。そんなAさんは、「もっと収入を増やして貯金を増やしたい」と思っていました。
 
いつも定時上がりで時間もあるので、Aさんは夜に居酒屋でアルバイトを始めました。将来は飲食店を開きたいというわけでもなく、飲食業に特別な思い入れがあるわけではありません。
 
このようなケースの場合、Aさんの居酒屋でのアルバイトは「副業」です。そこにお金以外に手に入れたいものはなく、あくまでもアルバイトは生活をより豊かにするたの手段なのです。
 

例2)フラワーショップ店員Bさんの場合

Bさんは、日中はフラワーショップの店員として、花選びの相談にのったり品出しやレジ応対などに従事いています。フラワーショップを選んだ理由は、ズバリ「花」が大好きだったからです。
 
ところが、Bさんには最近「花」以外に気になるものがあります。それは、「イラスト」です。
 
Bさんは子どもの頃から絵を描くのが好きで、昔からよく花や動物の絵を描いていました。社会人になってからあまり絵を描く機会もありませんでしたが、販促用にお花の絵を描いたポップをつくったところ、お客さんやオーナーから非常に好評でした。そして何より、久しぶりに絵を描くのが、心の底から楽しかったのです。
 
それからBさんは、インターネット上で自分のスキルを売るサイトに登録し、お花の絵をサンプルに手書きイラストの販売を始めました。まだまだ収入は全然少ないですが、将来は「花」と「イラスト」で大事な日を祝う「フラワーイラストレーター」になることが目標です。
 
このような場合、Bさんのネットでのイラスト販売は、「複業」であると言えます。なぜなら、お金を手に入れること以外に、自分のスキルを磨くことや将来のなりたい自分に近づくことが目的としてあるからです。
 

☆あなたの理想の働き方は?

いかがでしたでしょうか。本業以外の仕事を考えていた方は、「副業」と「複業」、どちらが目的として近かったでしょうか。
 
どちらのスタイルが正解ということはありませんが、人々のお金やものを手に入れる以上の高次の欲求が高まってきており、また、世界の変化のスピードが高まり組織の未来にも不確実性が高まっている現代においては、「複業」という考え方がこれまで以上に存在感を高めていくことは間違いないでしょう。
 
最後に、「スパイラルキャリア」という考え方をご紹介して締めくくりとしたいと思います。以下は、三原菜央さん著「自分らしく働くパラレルキャリアのつくり方」より引用です。
 
 私は『先生の学校』で毎月イベントを開催していますが、始めた当初は集客がいちばんの悩みでした。しかしあくまで個人が運営する団体ですし、どれだけ失敗しても問題はありません。そこでありとあらゆる集客の施策を実験的に行うことによって、集客の知見をためていきました。
 その結果、2年経った今では、ほぼ集客に困ることはなくなりました。これらの副業から得た集客の知見を、本業であるプロモーション、PRの業務に役立てることができるので、相乗効果を発揮しながら、それぞれの仕事のパフォーマンスを最大化できるようになりました。
 そして自分の持っている得意のすべてを活かすことができるようになったのです。
 そんな働き方ができるのが、「パラレルキャリア」なのです。本業との相乗効果が発揮できるようになると、平行線を意味する「パラレルキャリア」を超えて、キャリアの線と線が絡み合う「スパイラルキャリア」へと進化させることができます。
――三原菜央「自分らしく働くパラレルキャリアのつくり方」(秀和システム)p.45~p.46より抜粋。

 

つまり、スパイラルキャリアとは、複数の仕事が互いに相乗効果でパフォーマンスを高め合うキャリアのことを指しています。複数の仕事に並行して取り組んでいるだけにとどまらず、複数の仕事が互いのパフォーマンスを高め合うことができるようになることこそ、理想の「複業」の姿ではないでしょうか。
 
これから「複業」に取り組む皆さんは、ぜひ「パラレルキャリア」の先にある「スパイラルキャリア」を目指していきましょう!!
 
「パラレルキャリア」や「複業」に関してもっと詳しく知りたい方は、以下の本がとても参考になります。ぜひ手に取ってみてください。